迷路のような若者文化の町 下北沢
 ドラマや映画の舞台にもなった場所
井の頭線渋谷駅から急行で4分、小田急新宿駅から急行で7分という便利な場所にある下北沢。1920年代から文豪や3人もの首相が住んだ閑静な住宅街。今でも住宅街は閑静だが、駅周辺だけは1950年代以降輸入品を扱う店が増え、異国文化漂う町へと発展してきた。1970年代はロック、ジャズ、ブルース等を流すバーが続々と登場。79年に「下北沢音楽祭」が開かれて、「若者の町」というイメージが定着。
82年に元俳優の本多一夫が町のあちこちに小劇場を作ってからは、「演劇の町」としても注目を集めるようになった。今では近辺に大学が多いことから、20代前半の若者が多く歩いているが、音楽や芝居を志す若者のあこがれの地でもあるため、夢を持った20代が多い町である。そんなこの町の若者を主人公にしたテレビドラマが06年には2本放映、映画が2本上映されている。下北沢は、東京のど真ん中の、雑然とした独特の雰囲気を持つ町だ。
直径500メートルの中に1500の店、ライブハウス、劇場がひしめきあう町
駅を出ると小劇場やライブハウスが点在する南口と、1920年代から発展した古い商店街とおしゃれなショップが混在する北口がある。南・北両出口周辺を合わせても直径500メートルの小さな、でもエネルギッシュな場所だ。どちらから出ても路は狭く迷路のように張り巡らされている。歩いていると迷ってしまうが、気軽に若者に「駅はどっちですか?」と聞けばよいし、小さな町なのですぐに駅まで戻ることができる。何もせずただ歩くだけなら1時間もあれば回れる広さなのだ。
 南口周辺
南口には下北沢の象徴的存在「本多劇場」があり、日本演劇界のメッカといわれている。周辺に小劇場があり、全部で8つ。演劇好きの若者が集っている。本多劇場と同じビルには、演劇用化粧品専門店や、ヴィレッジ ヴァンガード 下北沢がある。この店は「遊べる本屋」というコンセプトの雑貨屋。本の他、パーティーグッズからキャラクターグッズ等ありとあらゆるものを売っているが、全てがちょっと変わっている。例えばおもちゃなら、腹話術人形や10種類もの声を備えたボイスチェンジャー等。まさに下北沢の雑然とした雰囲気にぴったりの店だ。
また、1975年オープンのライブハウス 下北沢LOFTはじめ十数軒のライブハウスがひしめきあう。夕方から夜にかけて、人気のライブハウスには行列ができていることもある。短編映画専門の映画館トリウッドは、映画館のレンタルもやっていて自作を上映することも可能なおもしろい場所。
このあたりには多種多様なレストランがある。和食はもちろんのことエスニック料理や沖縄料理等。庶民的な日本の味、お好み焼き屋さんも多数あり、最近ではテイクアウトの和風フライドチキンの店もできた。おしゃれなファッション雑貨店もたくさんある。
北口周辺
北口を出るとすぐ右に、60年前にタイムスリップしたような一区画がある。「下北沢駅前食品市場」だ。高架下に、古くからある食料品屋が店を開いている。昼は人通りが少ないが、夜にはおでん屋さんの屋台などがでて賑わっている。この一区画を過ぎると個性的な雑貨屋やかわいい古着を売っている小さな店がひしめきあうおしゃれな町になる。カフェもおしゃれ。アンティークショップもおしゃれ。全ての店がこだわりを持ち、個性的な店ばかりだ。中でも教育雑貨店THE STUDY ROOMの商品は知的好奇心に溢れるモノが揃っていて面白い。具体的には恐竜や昆虫の模型、人体の医学模型、色つき聴診器等4000種を売っている。
 車と風俗店のない町
旅行者にとってこの町の魅力は、歩きやすいということ。路地が狭くて車が入れないのだ。自転車さえもほとんど入ってこない。だからのんびりと歩けるし、一軒一軒の店をゆっくりとみることができる。また、風俗店がないので、比較的治安がいい。ライブハウスや屋台でおしゃべりしたり飲んだりしている音楽・芝居好きな若者たちも、夜遅くまでゆっくりと楽しんでいる。週末には深夜まで町を飲みあるく女性の姿も少なくない。
 駅からちょっと離れれば、高級住宅街
活気があり、いろんな文化がまじりあう駅周辺を出ると、そこは閑静な住宅街。春には桜並木が美しく、庭の手入れが行き届いた住宅の庭から鳥の声も聞こえてくる。北沢川緑道や商店街を練り歩く神輿で有名な北沢八幡宮、大銀杏で知られる森巌寺なども点在している。
この下北沢の雑然とした雰囲気を味わえるのも、あと数年かもしれない。現在、再開発計画が進められているという。今のうちに是非訪れておきたいエリアである。
地図
東京鉄道地図
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