佐賀・福岡(筑後)

北は玄界灘、南は有明海と2つの海に面した九州北部の佐賀県。そして佐賀県に隣接した福岡県筑後地方の旅を紹介しよう。
九州の中心都市・福岡市の主要地区・福岡空港、博多駅、天神を通っている福岡市営地下鉄は姪浜を経由してJR筑肥線と相互乗り入れを行っている。この路線を利用すれば福岡市内中心部から乗り換えなしで佐賀県の唐津に行くことができる。およそ1時間半ほどで唐津駅に到着する。車窓からは玄界灘の荒々しい雄姿を眺めることもでき、列車に揺られながら旅の楽しみを満喫することができる。
唐津・呼子
     
唐津は国際貿易港としての歴史と城下町ならではの情緒が溶け合った町でもある。玄界灘を背に凛とした姿を見せる唐津城はこの町のシンボル的存在だ。唐津駅に隣接したふるさと会館アルピノでは、唐津周辺の特産品が並ぶ土産物店と観光情報コーナーがあり、周辺の観光情報が入手できる。
佐賀県は日本でも有数の陶磁器の生産地で、唐津焼も400年近い歴史を持つ。唐津焼は茶陶器とも呼ばれ、昔から茶道で良く使われており、茶道を嗜む人たちに愛されてきた。唐津駅の南側にあるお茶碗窯通りには窯元や資料館が点在しており、ぶらぶら散策するのも良いだろう。
鏡山に登れば、眼下に望む玄界灘と日本三大松原のひとつ虹ノ松原を見ることができる。一面に広がる空と玄界灘、青々とした幅1km、長さ5kmにわたって続く美しい松原は絶景だ。
また、毎年11月には国の重要無形文化財「唐津くんち」も開催され多くの人たちで賑わう。
唐津からバスで約30分。日本三大朝市のひとつでもある呼子朝市。毎朝7時30分から「朝市通り」と名付けられた商店街で新鮮な魚介や野菜を買うことができる。呼子といえばイカ料理が有名。透き通った新鮮なイカの生き造りは美味。イカ料理を堪能させてくれるお店もあり、胃袋を刺激する。
武将・豊臣秀吉(1536-1598)が1591年の朝鮮侵略の際、基地として築かせた名護屋城。この城跡に、日韓の友好の絆をさらに深めようと建てられたのが名護屋城博物館。館内には名護屋城跡からの出土品や日韓関係の資料が展示されている。
伊万里・有田
    
佐賀県の見逃せない見どころと言えば焼物。伊万里・有田焼は日本を代表する焼物のひとつ。17世紀初めに李朝の陶工、李参平が有田の皿山で磁器の原料となる良質の陶石を発見したことに始まった。17世紀中頃、酒井田柿右衛門によって赤絵(上絵付)の技法が始められると、華やかな製品が次々と生み出された。これらの磁器は伊万里港から日本国内、そしてヨーロッパへと運ばれた。これが古伊万里「オールドイマリ」と呼ばれる由縁だ。
伊万里の大川内山(おおかわちやま)は、今も窯から煙が立ち上る焼物の里。17世紀後半、鍋島藩が幕府や朝廷などへの献上品を作るために築いた藩窯跡があった。現在は「鍋島藩窯公園(なべしまはんようこうえん)」や高度な技術を受け継ぐ窯元群がある。
陶器店や旧家が立ち並ぶ有田は、陶器市シーズン(毎年4月29日~5月5日)になると全国各地から訪れる多くの人で賑わう。有田の町の道筋は、陶器の里の趣を存分に醸し出しており、ショッピングのために陶器店に立ち寄ったり、窯元を訪ねてみてはどうだろう。オリジナルの有田焼の絵付け、ロクロ、手びねりができる体験工房もあり、有田焼を作った思い出を残すこともできる。
武雄温泉・嬉野温泉
  
長崎と北九州・小倉を結ぶ旧長崎街道の宿場町・武雄温泉。シンボルは朱色の楼門、その奥にある武雄温泉共同浴場内の貸切風呂「殿様湯」、江戸中期を語り継ぐ名物風呂だ。嬉野茶で有名な嬉野温泉は古くから知られたいで湯の町。嬉野川沿いに軒を連ねる温泉旅館は情緒豊かでもある。今では日本三大美肌の湯として知られ、川沿いに造られた露天風呂や茶風呂など様々な風呂を楽しむことができる。
吉野ヶ里歴史公園

吉野ヶ里歴史公園は117haの公園だ。公園内にある吉野ヶ里遺跡はおよそ40haの日本最大級の環濠集落跡。約2000年前の弥生時代の主要な施設が復元され、2001年に日本で二番目の国営歴史公園としてオープンした。吉野ヶ里遺跡の最大の特徴とされるのが集落の防御に関連した遺構である。外濠と内濠の二重の環濠ができ、V字型に深く掘られている。北内郭(きたないかく)と南内郭(みなみないかく)の二つの集落では、当時の人々が生活していたと考えられている。市や祭りなどもが行われていたようで、倉や市など人々の営みが丁寧に復元されている。
園内には出土した土器や甕棺(かめかん)などを展示した展示室や火おこし、勾玉づくりなどができる体験工房もある。
佐賀インターナショナルバルーンフェスタ・鹿島ガタリンピック
 
毎年11月上旬には広大な佐賀平野の大空を舞台にした国際的なスポーツイベント「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が開催される。晩秋の青空に国内外から100機以上のバルーンが参加して競技が行われる。アジア最大の熱気球大会は、色とりどりのバルーンが大空に飛び立ち雄大な光景が展開される。
鹿島市で行われる有明海の干潟(ひがた)で行われるユニークなオリンピックのような競技に興じるイベントが「鹿島ガタリンピック」。潮の影響で開催日は固定できないが、例年初夏に行われる。ムツゴロウ漁などで使われる「ガタスキー」(身長程度の長さの木の板)で干潟の上を滑る競技や、干潟の上に細長い板を何メートルも縦に並べ、その板の上を自転車で渡ってゴールまで自転車を走らせるなど参加してみたくなる競技がたくさんある。
参加資格は特になく、事前に申し込めば競技への参加は可能。近年、申込者が増えており一人2種目までで抽選になることもしばしばである。詳しくはhttp://www2.saganet.ne.jp/gatalym/
鳥栖プレミアム・アウトレット

九州内でショッピングで注目を集めているのが鳥栖プレミアムアウトレットだ。カリフォルニア州南部の美しい街をイメージした「スパニッシュコロニアル・スタイル」の施設に約120のショップがあり、1日中ショッピングが楽しめる。土・日・祝日には、福岡・天神から鳥栖プレミアム・アウトレットへの直行高速バスもある。
柳川
   
詩人・北原白秋(1885-1942)を輩出した柳川は福岡県南部筑後地方の旧立花藩の城下町。今も城の掘割が町中を縦横に走る水の都。どんこ舟に揺られ川下りを楽しみたい。堀沿いに息づく歴史や自然など柳川ならではの風情に出会うことができ、四季に応じて堀の表情も変わる。初夏には菖蒲の花が咲き、冬にはこたつ舟に乗って暖を取りながら堀を廻る様子が見られる。どんこ舟に乗った花嫁に遭遇することもある。のんびり川下りでの城下町散策を終えたら、今度は歩いて見どころを回ってみよう。
「御花」(おはな)は1697年に、柳川城主立花家の別邸だったもの。現在は歴史資料館と料亭旅館になっている。仙台松島を模して造った松の緑が美しい日本庭園「松濤園」を眺め、日本庭園の素晴らしさを感じてみてはどうだろう。
柳川の情緒に浸れるのが2月11日~4月3日にかけて行われる「柳川雛祭りさげもんめぐり」。期間中、町のいたるところに雛人形と「さげもん」と呼ばれる縁起物が飾られ見るものを楽しませてくれる。
柳川で是非、食したいのが「うなぎのせいろ蒸し」だ。タレをまぶしたご飯の上に、焼き上げたばかりの香ばしいうなぎの蒲焼きを乗せ、色鮮やかな錦糸卵をあしらいせいろで蒸す。ご飯にうなぎのタレが浸みこみ実に味わい深い。
久留米
  
福岡県南部筑後地方の中心都市久留米は、市の北東部から南西部にかけて筑後川が流れる。市東部では、ぶどう狩り、柿狩りなどのフルーツ狩りが楽しめる。また、世界的なタイヤメーカー・ブリヂストンの創業地で、ゴム加工品メーカーの工場が所在する。さらに、久留米絣など伝統工芸品の生産も盛んで、福岡県下第3の都市として発展している。
久留米には、ブリヂストンの創業者故石橋正二郎氏(1889-1976)が久留米市に寄贈した石橋文化センターがあり、広大な園内に、音楽や学会などの催しを行う石橋文化ホール、石橋美術館および別館、日本庭園、白鳥の池、坂本繁二郎の旧アトリエ、芝生公園、市民図書館等がある。
石橋美術館には久留米出身の青木繁や坂本繁二郎などの日本画家の作品が所蔵されている。
また、久留米市東部の耳納(みのう)北麓一帯は古来ツバキの進化の舞台であり、推定樹齢300年を超える大樹も健在で、社寺や民家には古木、名木が数多く残る。2010年3月には国際ツバキ会議と全国椿サミットが同時開催される。久留米つばき園では3haの敷地に500品種、2000本のツバキを鑑賞できます。
近年、注目が集まっているのがB級グルメの街としての久留米だ。焼きとり店の密度は日本有数で、久留米を代表する食文化のひとつだ。九州ラーメンの総称とも言われるとんこつラーメン。この豚骨を長時間煮込んで作られた白濁スープと細い麺が九州ラーメンの特長でもある。久留米はとんこつラーメンの発祥の地とも言われており、市内にも美味しいラーメン店が多数ある。
佐賀県や福岡県筑後地方にはまだまだ知られていない見どころも多い。ローカル線やバスに揺られながら訪ねてみるのも良し。レンタカーを借りて周遊をすれば更にフットワークも良くなるだろう。人々の温かさに触れあうことも期待できる佐賀・福岡(筑後)の旅に出かけてはどうだろう。
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