鉄道博物館
日本で初めての鉄道は、1872年10月14日、新橋-横浜間*で開通した。その135年後の記念すべき2007年10月14日、鉄道博物館がさいたま市大宮にオープンした。
(*注:新橋駅:後の汐留貨物駅、現在は廃止。横浜駅:現在の根岸線桜木町駅)
アプローチ
JR新宿駅から湘南新宿ラインや埼京線の快速を利用すれば30分足らずで大宮駅。新交通システムニューシャトルに乗り換え、ひとつめの「鉄道博物館」駅で下車。コンパクトな作りのシャトルに比べ、駅舎はゆったりとしてモダンな造り。ここが、「鉄道の世界」への出発点だ。駅の改札を出ると博物館へと続くアプローチに出る。左手には動輪のオブジェ、右手にはレンガ造りのガード下の壁面が続く。右に折れると、鉄道博物館のエントランスにつながる。
鉄道の魅力を凝縮
館内に入り、右手にあるのがヒストリーゾーン。1872年の新橋-横浜駅開業から1982年の東北・上越新幹線開業まで、日本の鉄道の役割や社会への影響について見ることができる。エスカレーターで2階に上がってみよう。2階からは1階に展示してある実車両が見渡すことができる。圧巻な光景だ。西側の壁には、日本の鉄道の歴史が展示されている。壁に沿って歩くと、それぞれの時代に活躍した車両の写真や模型を順を追って見ることができる。1階入口のインフォメーションでは、外国語(英語・中国語・韓国語)解説読み取り用端末を借りることができる。展示ボードの隅にあるQRコードを読み取ると、各言語の解説を端末で見ることができ、楽しさも増加するだろう。
 日本最大のHOゲージ模型鉄道ジオラマ
2階で注目のコーナーは、日本最大の「HOゲージ模型鉄道ジオラマ」だ。ナレーションつきの運転プログラムは、解説付きでゆったり見られる。(予約必要)。照明を調整することで、朝・昼・夜を演出。1日の鉄道の様子を見ることができる。運転プログラムを実施していない時間には、自由に観覧できる。その他、コレクションギャラリー、鉄道に関する図書・資料などのあるライブラリー、企画展示などの催し物が開催されるスペシャルギャラリーもある。
圧巻な実車両展示
2階から1階に降り、実物の車両が展示されているヒストリーゾーンへ。35両もの実物の鉄道車両が展示されている。明治時代(1868-1912)初期から始まり現代にいたる日本の鉄道の歴史・技術・システムについて、時期やテーマごとに紹介されている。
黎明期ゾーンには、日本初の蒸気機関車「150形式蒸気機関車」や、北海道開拓に活躍した北海道初の蒸気機関車で弁慶号と呼ばれた「7100形式蒸気機関車」など5両が展示。鉄道が全国に広がった大正時代(1912-1926)では、国電の元祖となった「デ963形式電車」や、初の国産電気機関車で信越本線横川~軽井沢間のアプト式区間で使用された「ED40形式電気機関車」など6両。
ヒストリーゾーンの中央には、威風堂々の「C57形式蒸気機関車」。蒸気機関車が特急・急行列車として活躍した時代を代表する蒸気機関車だ。「貴婦人」の愛称を持ち、その優美な姿は今も根強い人気を誇っている。この昭和期戦前・戦後(1930年代-1940年代)ゾーンには、国産初の本格的な高速蒸気機関車「C51形式蒸気機関車」や戦前の代表的な通勤車両「クモハ40形式電車」など5両が展示されている。
昭和30年代(1950年代)に入ると、大量輸送と電化が全国的に広がり、新たなタイプの車両が登場する。高い人気を誇った標準型特急用電気機関車「EF58形式電気機関車」、ブルートレインと呼ばれた固定編成寝台特急用客車「ナハネフ22形式客車」、首都圏・関西圏の通勤路線で使用され国鉄(後にJR)初の新性能通勤電車「クモハ101形式電車」、そして上越線で電車特急「とき」として活躍した「クハ181形式電車」の4両。
全国に特急網が広がった昭和40年代(1960年代)の代表は、電車特急車両「クハ481形式電車」「モハ484形式電車」、急行形車両「クモハ455形式電車」、交流電気機関車「ED75形式電気機関車」など4両。貨物輸送では、高速貨物列車用電気機関車「EF66形式電気機関車」や貨車も展示されている。車両によっては実際に乗車し、お弁当を食べたりすることもできる。また、御料車(日本の天皇や皇族が乗車する車両)も6両展示されている。
 人気の運転シミュレータ
館内1階の左手側には、運転シミュレータ、レストラン、ミュージアムショップなどがある。運転シミュレータは、運転士気分を存分に体験でき人気がある。蒸気機関車のシミュレータは有料で予約制だが、それ以外のシミュレータは予約なしでも利用可能だ。運転シミュレータの向かいにはレストラン「日本食堂」。かつての列車食堂の代名詞は、「旅のレストラン 日本食堂」だった。当時の食堂車のメニューや、車内販売でおなじみのお弁当も販売している。ミュージアムショップでは、鉄道にまつわるグッズや鉄道博物館オリジナルグッズを販売。屋外には、1両編成のミニ車両があり、自分でコースの中を運転することができる。(有料、予約制)。また、敷地内の移動手段として、「はやて」をモデルにしたミニシャトルが運行されている。(無料)間近に走る本物の新幹線や在来線と見比べるのも楽しい。
鉄道ファンならずとも楽しめる
新幹線、そして緻密で正確な運行で有名な日本の鉄道。旅先で大きな駅舎へ行くと、その線路の先の土地に思いを馳せワクワクするのは誰もが同じはず。鉄道好きなアナタも、そうでないアナタでも、ここ鉄道博物館ではきっと楽しめるだろう。東京からも近いので一度、足を伸ばしてみてはどうだろう。
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