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att. 文化 - 日本の昔遊び
att.JAPAN Issue 41, 2008年7月10日号

日本の昔遊び

5月号に引き続き、日本の昔遊びをご紹介しよう。

取材協力:江戸東京博物館 (http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/)、東京おもちゃ美術館(http://goodtoy.org/)、日本けん玉協会 (http://www.kendamakyokai.com/)

 

 コマ

日本はコマ大国。大きさ、素材、模様、回し方などさまざまな種類のコマがある。回し方には、指でひねって回すのと紐で回す方法がある。紐で回すコマは日本以外ではあまり見られないそうだ。それでは早速回してみよう。

1.ベイゴマ

まず、紐の片端に2つの結び目(コブ)を作る。コブの間は0.7cmくらい。このコブを芯にしてベイゴマに紐を巻いていく。ベイゴマを左手に持ち、2個の結び目の中心に、ベイゴマが地面に触れて回る部分(細い方)があたるように紐を置く。紐をベイゴマに一周させる。細い部分に並んだ2個の結び目をコマの軸と想定し、細いほうから太い方へ、右回りにきつめに巻いていく。左利きの人は、逆回しで巻く。巻き終わったら、(右利きの人は)右手でベイゴマを持ち、すっと勢いよく右手を前に出し、コマを放して、右手をすぐ後ろに引く。するとコマが右回転で勢いよく回る。土俵を決めて回転させ、互いのこまをぶつけて、相手のこまをはじいたら勝ち。50年ほど前まで、路上で子供たちが熱中して遊んでいるのが見られたものだ。

 

2.回転する時間を競う
同時に回して、速く倒れた方が負け。

3.見て楽しむ
模様のついたコマは単に回すだけでも面白い。回転に応じて変わる色や模様など、見飽きないものがある。
宮城鳴子温泉はこけしで有名だが、職人がこけしと同じ技術を使って作ったこまは、精巧で美しい。回すと富士山のように見えてくるコマもある。

4.曲芸

投げたこまを自分の手のひらにのせて回したり、両手の間に紐を渡しその上に乗せて回したり、他人との間で投げ合ったり、紐昇りをさせたりする。扇の上で回したり、日本刀の刃の上を走らせたりする曲芸もある。

 めんこ
めんことは、手のひら大のカード型や円形の厚紙。片面に写真や図柄が施されていることが多い。地面で遊ぶことが多かったが、室内や机の上でもできる。まず、戦うエリアを、溝をつけたり紐を置いたりしてマーキングする。参加者が同じ枚数のメンコを出し、エリア内に散らして置く。対戦者のめんこの横側に、手持ちの自分のめんこを1枚たたきつける。風をおこして、対戦者のめんこを裏返したり、エリアの外に動かしたり、相手のめんこを浮かせ自分のめんこを下に入れ込むことができたら、対戦者のめんこをもらえる。失敗するまで、同じ人が続け、失敗すれば交代。最後に、取っためんこが一番多い人が勝ち。自分のお気に入りのめんこを取られないよう、子供たちは必死に戦ったものだ。

 紙相撲 
日本の国技といわれる相撲。紙でもこんな遊びがある。折り紙を用意。それぞれ自分の力士を折る。顔を描いて、力士の名前をつける。靴箱のふたなどを利用して、土俵を作る。土俵に力士を置き、さぁ対戦。土俵の端をたたいて取り組ませる。勝つためには、運だけではなく、たたき方にも工夫が必要。素朴な遊びだけれど、白熱してくる。

 おはじき
おはじきは室内で遊ぶことが多い。20個程度のおはじきを、机の上や床の上に散らばらせる。2つのおはじきを選び、その2つを選んだという宣言として、2つのおはじきの間を切るように指で線を引く。この時、指がおはじきに触れてはいけない。片方のおはじきを、もう片方のおなじきに向けてはじく。他のおはじきに触れずにうまく当たれば成功。おはじきを2つとももらえる。当たらなかったり、他のおはじきを動かしてしまったら失敗。失敗したら交代。おはじきをたくさん取った人が勝ち。       

 紙風船
紙製の風船。口で空気を入れてふくらまし、手でついて遊ぶ。常備薬を各家庭に置いてもらい、定期的に巡回し、使った分だけ補充をし、代金を頂くという「富山の薬売り」という売薬商売があった。彼らが子供へのおまけとして、紙風船をくれたものだった。

 お手玉
小さな布袋のジャグリング。2個ができるのは当たり前。昔の女の子は、歌いながら、みな3個・4個とできたものだ。2個を片手で回したり、片手で1個空中に放り投げ、床に置いたお手玉を同じ手で拾ったあと、放り投げたお手玉を空中で受けたり。さまざまな技を競う。

 けん玉

けん玉は、遊びでもあるが、スポーツとしての楽しみもある。日本けん玉協会は、けん玉の基本姿勢や基本運動などを伝え、けん玉普及活動をしている。公認記録会、全日本けん玉道選手権大会、さまざまな競技会を行う一方、けん玉教室も開催している。

けん玉には、大皿と中皿に交互に玉を乗せていくことを続ける「もしかめ」という技がある。上段者になると、何十分も、何百回も続けられる。専務理事の丸石さんによれば、「もしかめ」をしながら高尾山に登ったこともあるそうだ。ある日の教室。この日は、この「もしかめ」を歩きながら続けて、途中で椅子に座ったり、床のものを拾ったりする「もしかめ」障害物レースをやっていた。速さとどれだけ落とさずに続けられるかを競う。15名ほどの生徒たちは、小学生や中学生、高校生、学校の先生、なんと70歳の女性まで、老若男女さまざま。それぞれのレベルに応じた技を楽しくかつ真剣に練習。最後は、級・段の認定会もあり、皆緊張した面持ちでのぞんでいた。高度な技も次々と披露され、張り詰めた雰囲気と技の華麗さに圧倒された。

 東京おもちゃ美術館

2008年4月20日、東京・四谷に東京おもちゃ美術館が開館した。廃校した小学校の校舎を利用。1935年に建てられ、天井が高くモダンな雰囲気が残る建物だ。NPO法人「日本グッド・トイ委員会」が運営。懐かしいものから、見たこともないものまで、数万点にもおよぶ世界のおもちゃや日本のおもちゃを所蔵し、手にとって実際に遊ぶこともできる。

3Fの「おもちゃのまち あか」には、日本の昔懐かしいおもちゃが展示されている。畳の間では、紙風船やけん玉、お手玉も手に取って遊べる。世界のおもちゃが展示されている部屋や、おもちゃの手作りを体験できる工房もある。2Fの靴を脱いで上がる「おもちゃのもり」は総ヒノキ張りの床。ナラやブナなど4種類の木で作った約2万個の玉を入れたプールやツリーハウス、木琴や木のおもちゃなどがあり、森林浴をしているかのよう。「グッド・トイてんじしつ」では日本グッド・トイ委員会が20年間にわたって選定したおもちゃを展示。木製の輪投げや日本の職人技が生きる木工玩具がたくさん。英語のできるスタッフもいるので、何でも聞いてみよう。

多田館長からは、「投扇興」という遊びを教わった。江戸時代(1603-1867)より始まった、和風ダーツ。

20cmほどの高さの台の上にいちょう型の的を立て、1mほど離れたところに正座し、開いた扇を的に向かって投げる。扇が当たり、的を落とすと点数がもらえる。扇、的、台の位置関係でそれぞれ名前がつき、難易度や希少性で点数が異なる。たとえば3つがバラバラな時は、散ってしまった花に見立てて「花散里」と呼ぶ。よく現われる形だがあまり美しくなく、1点しかもらえない。床に落ちた扇の上に的が立つのは浮船(30点)。

この名前は、源氏物語や百人一首に出てくる名前にちなんでつけられている。ふわっと飛ぶ扇の優雅な姿。かしこまらず気軽に楽しもう。

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遊びとはいながら、上手にできるようになるために、練習したり頭で考えたり。昔のおもちゃは、その土地で手軽に入る材料で作られることが多く、国はもとより地方によって様々なおもちゃや遊びがあった。どんなおもちゃを使ってどんな遊びをしてきたかが、後の人格形成に影響を与えることは間違いないだろう。遊びの世界は奥深い。

 



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