アニメ座談会
アニメの先進国である日本には、世界各国からアニメを学びにくる留学生がいます。それぞれの国のアニメの状況、彼らから見た日本のアニメの印象、将来の抱負などについて聞いてみました。
プロフィール
1 黄 薇霓(女性 台湾)
Huang Wei-Ni
台湾の大学で経済を専攻。卒業後、アニメーターを目指し日本へ留学。1年日本語学校で勉強し、アニメ専門学校入学、作画コース。今年卒業予定。
2 林 亞亭(女性 台湾)
Lin Ya-Ting
台湾の大学で美術の勉強をしたあと日本へ留学。日本語学校で1年勉強後、アニメ学校に入学、作画コース。今春卒業予定。
3 金 剛元(女性 韓国)
Kim Kangwon
韓国でプロの漫画家として10年活躍後、さらに勉強をするため留学。日本語は韓国にいるときから独学をしていたので、すぐにアニメ専門学校に入学。日本には1年在住。キャラクターデザイン専攻。
4 黄 建臻(男性 中国)
Huang Jian Zhen
中国の大学で美術を勉強し、2年間教員として働く。新しいことに挑戦するため、日本に留学。1年目は日本語学校で勉強したのち、アニメ学校で背景美術専攻。今春卒業予定。
5 張 宰鳳(男性 韓国)
Jang Jae Bong
韓国の大学でデザインを勉強後日本へ留学。1年間日本語学校で勉強し、アニメ学校へ。作画コース。今春卒業予定。
---今まで見たアニメではどんな作品が印象に残っていますか。
1:たくさんありすぎて選ぶのが難しいですが。2006年夏の「時をかける少女」。いろんな年代の人が楽しめるアニメだと思いました。主人公の真琴(女子高校生)はバカなことばっかりやっているけれど憎めない。かわいくてとても感情移入できました。ストーリーも音楽もよかった。
3:私も「時をかける少女」は面白くて、やっぱりちょっと感動して泣きました。
4:背景がすごくよくて。「もののけ姫」など、多くのスタジオジブリ作品の美術監督をされていた山本二三さんが美術監督だったと聞いて納得しました。
3:やっぱり背景はアニメの中で重要ですよね。好きな作品はいっぱいありますが、とくに前田 真宏(まえだ まひろ)監督が好きです。コードギアス(Code Geass)も好きです。
4:新海誠(しんかいまこと)監督の「雲のむこう、約束の場所」(The place promised in our early days)や「秒速5センチメートル(a chain of short stories about their distance)が好き。スタジオジブリの作品も全部見ました。内容もいいし、やっぱり背景がいい作品が好きです。
5:渡辺 信一郎監督やコードギアスが好き。かっこいいです。ジブリのもののけ姫、ナウシカもよかった。人間と自然を描いたものが好き。感動しました。
---小さい頃はどんなアニメを見ていましたか。今は母国ではどんな作品がはやっているんですか。
1:小さい頃は、ロボットものやディズニー。台湾ではアニメをあまり制作していないので、TVで見たのはほとんど日本のアニメ。今は日本に住んでいるので、ごく最近のものはわかりませんが、日本で話題になった作品は向こうでもすぐはやるみたいです。ドラえもんは国民的人気。ちびまるこちゃんも。でもサザエさん*はやっていないです。サザエさんには日本ならではの話題が多いので、日本人でないとわからないのかもしれません。(*注:サザエさん 1969年にテレビ放送を開始し、平均視聴率が20%前後で、今も続く日本の国民的なアニメ番組)
2:セーラームーン。
3:日本のアニメは子供の頃よく見ました。とくにロボットもの、マジンガーZやガンダムなどが好きでした。韓国では、デジタルアニメが盛ん。ワンダフルデイズ(2003年公開、韓国国内で制作された長編劇場用アニメーション作品)など。ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序は好調みたいです。
5:小さい頃は、ドナルドダックとか、ディズニーのもの。今は、ワンピース、なるとも人気があって、日本と同じです。
3:インターネットで日本ではやっているものはすぐわかるし、DVDもすぐ出ますから。韓国の熱心なファンは、日本でフェスがあると、韓国から来ます。日本、韓国、アメリカで起こることは同時進行です。
4:小さい頃は、ディズニー、日本のあられちゃん。ワンダフルデイズはよかった。中国もストーリーが弱いが最近ネットの小説を映画化したアニメが作られた。でも、国産のアニメを作る会社もたくさんあり、国もアニメを強くしようとしているので、あと10年たてば面白いアニメが作れるようになると思う。
---日本と母国のアニメを比較して感じることは何ですか。またそれを踏まえ今後の抱負は何ですか。
4:アニメは子供向けと思われています。日本では大人向けで、いい内容だけど、暴力などがあるとクレームが来るので、中国では放送できないものもあります。自分としては、ジブリみたいなアニメが作れたらいいです。日本で働いて背景で一人前になり、中国に帰って貢献できるようになりたいです。
2:台湾でもアニメは子供向け。昔話のアニメだったり。ストーリーが暗いものが多い。日本のゲーム会社でCGデザイナーとして働きますが、イラストを描くのも好きなので、いずれは台湾で画集を出したいです。
5:韓国でもアニメの多くは子供向け。ストーリーも日本より弱いです。マルチメディア展開もあまりない。一人前のアニメーターに早くなりたいです。いずれは作画監督、そしてアニメ監督にもなれたらいいです。自分がアニメからもらったものはたくさんあります。それをアニメで他の人にも伝えたいです。
1:ロボットものも台湾にはない。日本のアニメスタジオで働きますが、将来は台湾の人にも自分の経験を伝えていきたい。
3:日本ではコンテンツをいろいろ2次利用できている。漫画が原作だったり、フィギアを作ったり。いろいろなメディアが支えあっているのが、日本のアニメ・漫画の強さだと思う。まだ韓国にはアニメを勉強する学校は足りなくて、皆日本に勉強に来ます。自分の経験を活かし、将来は韓国のアニメ界に役立ちたい。
アニメを通して日本と海外の架け橋となる。彼らの今後の活躍を楽しみにしたい。
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